起業することが目的になっている件

総合商社に入って6年半。既に海外駐在を経験、端から見れば順調なキャリアであり、自分自身でも恵まれた生活を送っている実感はある。だけど、僕は、今の仕事をこのまま続けていくべきなのか、将来の生き方について深く頭を悩ませている。

起業はしたいのだけどやりたいことが定まらない、即ち「起業することが手段ではなく目的となっている」のが現状の課題で、とりあえずは、起業に向けてガンガン行動していかないと、という結論に至った(ブログ開設はその第一歩)のだけど、折角連休をつぶして色々考えてみたので、ここにまとめておく。

なぜ起業したいのかを考えてみた

起業することが目的となっている一番の理由は、これだ!というやりたいことがないから。であるならば、なぜ起業したいのか、起業することで何を得たい(今と変えたい)のか、をまず考えてみた。

  1. 自分の人生を自分でコントロールしたい
  2. 自分の能力を超えるチャレンジをしたい
  3. 会社に頼らなくとも、自力で生きていけるという自信をつけたい
  4. 人生をかけられる自分自身のビジネスに、全精力を注ぎたい
  5. ビジネスの全体像(1から10まで)を経験したい

これが正直な気持ち。では次に、なぜこのような気持ちを持つに至ったのか、現状とのギャップを考える。

現状の何が不満なのか

はっきり言って、今の会社のことは嫌いじゃない。むしろ好きと言っていいだろう。変な人に出会うことも少ないし、世間の「商社マン」に対するイメージほど激務でもなく、世間のイメージ通りに給料はいい。(商社マンの現実については、別途書いてみたい。)

それなのに、起業したい、などと松岡修造ばりのアツい感情が溢れ出てくるのはなぜなのか。現状に対する不満としては、以下が挙げられる。(尚、僕はリスク管理担当として営業をサポートする立場。)

  1. ビジネスの流れの中の、極めて限定された一部の仕事(戦略策定や予算作成に携わることもない)のみを担当。
  2. 社内向けの仕事、社内独特の仕事がほとんど。
  3. 今の業務は、営業部のビジネスに口を出すだけ。責任がない。

大企業に入っておいてそんなこと言うなとか、それで高い給料もらってんのかとか、仕事への取組み方の問題だろ、とか色んな批判があるのは承知の上(自分でもそう思うし)。これは、不満と言うよりも、むしろ、このままこの会社にいてはダメになるのではないか、という、修羅場をほぼ経験することなく年を重ねていくことに対する強烈な不安である。

さらに悩ましいのは、年次が上になっても上記の不満は解消されないであろうこと。上の人間を見渡しても、この人みたいな仕事を出来るようになりたいとか、こんな人間になりたい、と思うことはほとんどない。

このままでは僕は、上司の好きな色やフォーマット、それから社内ルールに詳しい、資料作りが少し得意なだけの中年になっていくだろう。

なぜ一歩が踏み出せないか

上記の不満(不安)を解消すべく、僕は起業を志している。それでも、一歩を踏み出すのは怖い。正直、すごく怖い。商社マンとしての既得権益に惑わされていないつもりでも、もはやゼロに戻ることは簡単ではないのだろう。

加えて、僕は、学生時代のアルバイトを別にすれば、今の会社(とBOOKOFF)からしかお金をもらったことがない。つまり、自分が世の中に価値を提供し、その対価としてお金をもらうという経験が欠如している。もちろん、海外2年を含む商社マンとしての6年が全く役に立たないことはないだろう(と信じたい)が、そこまで甘くはないだろう。

小さな小さな井の中の蛙として、大海に出たいと憧れだけは感じているものの、暗闇に怯えているのが今の僕。

一歩目を踏み出すために

では、この恐怖を軽減するために出来ることは何か。それは、「とにかく行動(ミニ起業体験)を起こすこと」。

これまでも、起業家コンテストに応募してみたり、Startup Weekendに参加してみたり、起業家の講演に行ってみたり、という行動はしてきたけど、基本は受身だったかなと。「商社マンのくせにへぼい、と思われたくない」とか、「商社を辞めてまで起業するのだから、みんなが納得するような立派なビジネスをしなければ」とか、人の目を気にしたり、一歩目から大きく踏み出すことばかりを考えていたりで、実際に自分ごととして捉えられていなかった。

具体的には、タメになりそうな場に参加するだけで満足し、自分が他者から評価されるような行動は避けていたと感じる(例えば、起業コンテストでアイデアを発表する時にも、「このアイデアは単に思いつきで、まだ全然深くは考えられてないんですけど」みたいなことを言ったり)。

そこで、当面は、大きなことでなくていいから、何らかの課題を解決するための事業・サービスを作って、それを世の中に問うていく(そのニーズを検証していく)、というミニ起業プロセスを出来るだけ多く踏むことを最優先にしたい。その中で、本当に自分がやりたいこと、解決したい課題を見つけるとともに、取組む事業を少しずつ大きく育てていきたいと思っている。

最後に

なんだかんだ実際の現場に入ることが一番だとは思っているので、お手伝いさせて頂ける(もちろん無給で)スタートアップの方(分野は問いませんが、人数は一桁ぐらいの初期段階希望です)や、その他色んな方と繋がれたら、勇気を出してブログを書いた甲斐があって嬉しいなー、なんて甘い夢を見ております。温かく応援して頂けると嬉しいです。これから、よろしくお願いします。

余談 ...

ブログを書くって難しい。。。社内の説明資料の方がよっぽど楽ですね(笑)