ベンチャー・スタートアップへの転職よりも、起業を志す理由

何度か書いている通り、僕は今、起業を志している。こういう話しをすると、よく聞かれるのが「転職は考えてないの?」という質問。結論から言えば、「転職」にあまり興味はない(正確には、なかった)。それは転職先がベンチャーやスタートアップでも、である。今日は、なぜ自分が起業に惹かれるのかを考えてみたい。

転職ではなく起業にこだわる理由(ここでの転職は、大企業ではなくベンチャー・スタートアップへの転職を前提とする)

(組織が小さければ小さいほど)特定の個人に振り回されるリスクが高まる

大企業では、一人の偉い人がめちゃくちゃなことを言い出したとしても、会社全体がそれに左右されないような意思決定の仕組みだとか体制、雰囲気が、よくも悪くも出来上がっている(それでも、鶴の一声で裏の力が働くことはよくあるが)。

一方で、(特に少人数の)ベンチャーやスタートアップでは、基本的に社長の言うことが絶対。つまり、その社長と方針やウマが合わなければ、その環境下で仕事を続けるのはかなり辛い結果になる。大企業でも、上司を選べない、という同じような問題点はあるけれど、その上司はそのまた上司に評価されるし、時間が経てば異動もある、ということを考慮すれば、周囲とうまくいかなかった場合のリスクは転職の方が大きいと感じている。

転職では、今と大きく環境が変わらない

いやいや、大企業とベンチャー・スタートアップは全然違うから!と、両方面からお叱りを受けそうだけど、以下の点、即ち僕の不満な点は変わらないかな、と。

  • 誰かの下で働く
  • 自分の事業ではない

結局、ここが今の自分が納得できていない点だから、これが変わらないなら敢えて転職リスクを取る必要はないと考えている。よく、物事を比較するときに「費用対効果」と言うけれど、仕事を「業務の大変さ対給料」で評価してみると、うちの会社は世界一だと本気で思うことがある(笑)。なので、劇的に環境が変わらない限り、このぬるま湯を脱出するのはなかなかに難しい。。。

社長に嫉妬してしまいそう

自分がいいと思える事業に、ある程度の裁量が与えられ、マネジメントの一員として絡むことができれば、上述の問題は基本的に解決すると思うのだけど、事業が成功したり話題になり、雑誌やテレビで特集されることになった場合に、スポットライトが集中するのは当然社長。でも、自分も中心で携わっているからには、僕もスポットライトを浴びたい!と思うはず。例えば社長がWikipediaに載り、情熱大陸に出た日には、激しく嫉妬するだろう(笑)。

 

要は、「自分でリスクを取り、自分の責任で、自分の力がどこまで通用するか(自分の事業をどこまで大きく出来るか)挑戦してみたい」という今の気持ちからすると、決して低くはない退職リスクを取る割りには、最後の最後の責任は他人になるスタートアップ等への転職は、すごく中途半端な選択肢だという気がしている、ということ。(あくまでこれは僕の嗜好に照らせば、という話であり、起業は転職よりも素晴らしい、という話をしているわけではないので悪しからず。)

と、自分としては強く起業を意識しているにも拘らず、肝心要のやりたいこと(解決したい課題)がないために、悶々としているわけ。あぁ、毎回同じ結論。。。ちゃんと考えるようになっただけマシとは言え、まだまだ考えの深さも行動も足りないなー

 

ただ、やりたいことが見つかるまで、と悶々としながら今の生活を続けるのも良くないし(自分のメンタル的にも、それから今の会社にも迷惑)、時間が経てば経つほどこのぬるま湯から出にくくなることは間違いないから、最近では転職も視野に入れ始めたのも事実。少人数で目標に向かって働く、というのは理想の働き方の一つではあるし。

自分自身、ベンチャー・スタートアップについて分かってないことだらけだから、今日書いた中で的外れなこともあるんだろうから、環境をガラッと変えることで自分のマインドを変えるのも、やりたいことを見つける近道になるかも。悩める日々は続く。。。

Startup Weekendに参加したお話

先日、Startup Weekendというイベントに参加してきた。

Startup Weekendとは、金曜の夜&土日丸々の3日間で、「プチ起業体験を積もう」というもの(正確ではないけど、大きく外してはないと思う)。

3日間の流れについては、すでに色んな人がブログに書いているので、軽めに。その上で、自分が感じたことを書き残してみたい。

Startup Weekendの主な流れは以下。

<金曜>

  • 集合(18:30開場)
  • Startup Weekendについての概要説明
  • ゲストスピーカーの講演
  • アイスブレイク(チームに分かれ、適当な2単語から5分でビジネスモデルを考えて、1分で発表。例えば、「犬」と「ビール」をキーワードに、誰に何を売ってどう儲けますか?みたいな話をする)

ここまでが、いわば準備運動。ここからが、本番。まずは3日間を戦うチーム作り。

  • 希望者が、テーマ(「ブライダル」「教育」「アフリカ」など、毎回テーマが決まっている。たまにフリーテーマな場合もある模様)に沿ったアイデアを1分間でピッチ。参加者の4/5ぐらいはピッチしてたかな。
  • 人気投票によりテーマを10個ぐらいに絞る。参加者全員に3票の投票権が与えられ、いいと思ったアイデアに投票する。一つのアイデアに3票を投じても良いし、自分のアイデアに投票しても良い。僕のアイデアはここで敢え無く撃沈。
  • 残ったアイデアのうち、どれかを選んでチームを形成(最低3人でチームになる)。3人集めることが出来れば、ボツになったアイデアを復活させても良い。

チームが作れたら、全体は解散。そこからはファミレスなどに場所を移して早速作業を始めるチーム、次の日からに備えて帰宅するチームなど様々。

 

<土曜(全体の時間は9時から21時ぐらいまで)>

  • 日曜17時からのプレゼンに向けて、ひたすら作る。アイデアをブラッシュアップしたり、ターゲットを考えたり、MVP(Minimum Viable Product)を作ったり、顧客候補にインタビューしたり。
  • 午後に、コーチングと言って、テーマに関連する分野で活躍されている方からコメントしてもらえる機会あり。僕が参加した会のコーチは4人。一人当たり15分、話せるのは2人か3人。

 

<日曜(全体の時間は9時から)

  • 17時からのプレゼンに向けて、ひたすら作る。
  • プレゼンの評価項目は以下の3点らしい(項目の後ろの()内は僕なりの補足)
  1. Validation(どれだけ検証したか)
  2. Execution & Design(MVPはしっかり出来ているか)
  3. Business Model(儲かるか)
  • 優勝が発表されて、その後懇親会 

 

3日間を通じて感じたこと

時間がなく、少ないメンバーでやっている時は、みんなの意見を聞いていては進まない

僕のチームは3人チームだったのだけど、議論は相当ぐるぐるしていた。アイデアの詳細を詰めていく過程の初期段階で、リーダー(アイデア発案者)が持ってるイメージが相当曖昧だと判明。話の度に内容が変わることもしばしばあった。それでも、僕ともう一人のメンバーも平和主義者というか、「リーダーのアイデアだから、なるべくリーダーがやりたいように」と変にリーダーを尊重してしまったので、やんわり軌道修正を試みるも、すごく時間がかかってしまった。

特に時間が限られている中では、誰かがリーダーシップを持って、反独裁的に物事を決めていく、という日本人が苦手なやり方でガンガン物事を進めていく必要がある。

検証サイクルは、「顧客がお金を払ってくれるかどうか」の確認までを1セットに

優勝チームはビジネスモデルも素晴らしかったけど、特に評価されていたのは、プロトタイプを作り、ニーズの検証をしっかりと出来ていたこと。事業内容をイメージ出来るサイトを作ったり、実際にサービスを提供して感想を聞いてみたり。並行して作ったFacebookページには100以上のいいねがつき、サイトからは10人弱の事前登録があったとのこと。

これに対して我がチームの成果は、サービスの画面イメージ(パワポの図形貼り付けレベル)と数人のインタビューのみ。アイデアを考えてはボツにし、ピボットし、と細かな改善は何度も積み重ねていたのだけど、それだけで満足していたことがあったかな。最も重要なのは顧客がお金を出してくれるかどうかであり、方向転換・ブラッシュアップ時の便りにすべきは顧客の声なので、MVPを作ってそれを顧客に持って行き、意見をもらう、ここを検証サイクルのゴールにしなければいけなかった、と反省。

(この点は、3日間通してオーガナイザーからもずっと強調されていた点なのだけど。何となく、チーム内で話しをするだけでサイクルを回した気になっていた。ポジティブに捉えれば、体で理解できたことは収穫。)

また、顧客のニーズがある!ということの確認を初めから最終目標にしていれば、スピード感もだいぶ変わっていただろう。僕らのチームには、ロジカルなプレゼンをする、ぐらいのふわっとした目標しかなかったから、事前登録まで集めた、というのは正直衝撃だった。

一歩目を早く踏み出すことと、打ち出し角度を慎重に見極めることのバランスは難しい

一歩目を出来るだけ早く踏み出すべき、ということは分かっても、一方でその打ち出し角度を間違えない、というのも非常に重要な要素。頓珍漢な方向に踏み出してしまっては、後からのリカバリーも大変になる。

ここは、「誰のどんな課題をどのように解決したいのか」「そのためのMVPは何か」を出来る限り明確に正確に的確に定義することが大事なのかな。あとは、こういう検証を何度も何度も繰り返すことによって磨かれていく感性の部分もあると思う。このあたりは、経験を重ねることで少しでもうまく出来るようになりたいところ。

「サービスを使い続けてもらえるか」だけでなく「どうやってサービスを使い始めてもらうか」

僕らのチームでは、「どうやったらサービスが使われるか、使われ続けるか」が議論の中心になることが多かった。だから、「そもそも使い始めてもらわないと意味ないよね」というコーチからのアドバイスは個人的に新しい視点だった。どうやって手に取ってもらうのか(例えばアプリならダウンロードしてもらうのか)。そのためには、エッジが立ってないとダメ。 

スキルを有している&手に職があることは強い

ちなみに、参加者は自己申告制で「ハッカー(プログラミング出来る人)」「デザイナー(デザインできる人)」「ハスラーハッカー・デザイナー以外)」に分かれる。

僕はハスラーとして参加。僕のように、コードも書けなければデザインも出来ない、マーケティングもしたことない、みたいな、特に具体的に役立つスキルがない人に出来ることは、必然的に「街を歩いているそこらへんの人に声をかけてインタビューをすること」がメインになる。(「会社の同僚に、自分がこのイベントに来ていることはあまり知られたくない」という僕のような覚悟の出来ていない人間は、SNSをガンガン活用するわけにもいかない。)

これが普通に出来るようになれば立派なスキルだし、多少の自信はついたけど、休日のお昼、東京のど真ん中での声かけは結構勇気がいりました。まぁこれは、自分の市場価値を意識せずに生きてきたペナルティ。早く自分の強みを見つけられるよう頑張ろう。

最後に

気になるお値段は、7食(金曜夜と土日の3食ずつ)込みでほぼ1万円。これをどう捉えるかはそれぞれだけど、個人的には非常にリーズナブルだと感じた(金曜に飲みに行ったら同じぐらいかかること普通にあるし。しかも、全く期待していなかったご飯もビュッフェ形式で非常に美味しかった。)

普段、スタートアップ界隈とは対極の大企業病に蝕まれている身としては、スタートアップの雰囲気(の一部)を何となく感じられ、巷で話題のリーンスタートアップ手法を身をもって学べたので、週末を全て潰してでも参加する価値はあったかなと。

反省点としては、ピッチしたアイデアが適当すぎたこと。さすがに、会場に向かう電車の中で思いついたものではきつかった。やっぱり、自分のアイデアを形にする、そのためにチームを組んで一生懸命頑張る、というのが、今後起業してやりたいことだし、実際にやってて一番面白いと思う。だから、今回はピッチをないがしろにして、その疑似体験のチャンスをみすみす手放してしまったのが、非常にもったいなく悔やまれる。

期待していたことは概ね学べたので非常に満足、次回の参加予定は特にないけれど、興味ある分野で「これやりたい!」というのがあれば、また参加してみたいなーと思う面白い3日間でした。ありがとうございました。

起業のデメリットを考える

昨日は、「起業することが目的になっている」ことの悩みをつらつらと書いたのだけど、今日は、起業することについてのデメリットについて書いてみたい。これを考えておくことで、後々の後悔を低減出来るのでは、と思うから。

プロジェクトの金額規模が小さくなる

これは、大企業側の人からも、ベンチャー側の人からも言われること。確かに、今の担当プロジェクトは、ほとんどが数百億円以上の規模。すごくポジティブな言い方をすれば、国を超えてグローバルに、政府をも巻き込んだ仕事をしている。(ちなみに、個人的に社内のすごく嫌な点として、数億円レベルの案件を「そんな金額では何も出来ない」とか、億に満たない案件を「誤差」と切り捨てる雰囲気がある。)

でも。

僕は、案件の意思決定とか大事なところには、1ミリも、1%も絡んでいない。意思決定をするのは経営層の極一部だけで、その他大勢に求められることは、その意思決定をサポートするような情報を集めたり、資料を作ったりすること。(50を超えた部長やその下の課長クラスは、交渉など重要な場面を任されることもあるけれど、そこで求められるのは、偉い人の意向に沿うよう交渉すること、社内承認を取得する前に勝手なことを決めてこないこと。)

愚痴っぽくなってしまったけど、僕の動かしている金額は、残念ながら「数百億円×0%=0円」だ。例え僕がどれだけ反対したって、案件が止まることはないし、方向性が変わることもない。

退社すれば、案件の金額規模は小さくなるだろうけど、自分の貢献範囲が広がることで、「金額×貢献範囲」での満足感は今を超えられるのではと考えている。(それを確認するためにも、昨日書いた通り小さなプロジェクトをどんどん回していきたいと思っている。)

安定がなくなり、プレッシャーが出てくる

「会社行って座ってるだけでお金がもらえることの有り難みがよく分かるよ。」

会社を辞めた知人から冗談っぽく言われたこの言葉。 確かに今は、朝まで飲んで二日酔いで会社に行き、ずっとトイレにこもっていても、もらえる給料は変わらない。(逆に、朝からモーレツに働いても給料は変わらない。)こんなことが許されるのは、会社のおかげ。会社を辞めれば、自分の行動が全て。まさにDo or Dieの世界である。

この、今とは対極の世界に飛び込むことには勇気がいるし、飛び込んだ後は、今の生活を思い出して羨ましく思うことも間違いないけれど、それでも、チャレンジがない生活には不安を覚えてしまうのが、自分の性格みたい。これはどうしようもない。

自分の意見を言わないといけない

会社勤めも起業でも関係ないんでは?と思われるであろうこの点。

だけども現状、僕が今の会社で自分の意見を求められることはない。勿論、自分の意見を言えば上司は聞いてはくれるけど、「うん、そうだな、そういう考えもあるかもな」、以上、である。上司は、上の人の意見が絶対だと知っているから、あえてそれにチャレンジしたりはしない。僕も、そんな上司を見て、「空気を読む」ことを覚えていく。会社は減点方式だ。

会社を一歩外に出れば、そこは弱肉強食の世界。深い考えに裏打ちされた強い意志を持って、人と違う自分なりの意見を出して、それで人を納得させなければいけない。ぬるま湯にどっぷり浸かってしまった僕には、これは正直辛いこと。でも、これを乗り越えなければ自分がダメになっていくだけだ。

このブログを始めた背景には、そんな課題意識もあったわけだけど、今のところの自分の文章の尖り感のなさ、エッジの効いてなさは残念で仕方ない(笑)まぁこれが現状の実力だし、思考の整理にはなってるので、これは一歩ずつ頑張っていくしかない。

給料が下がる

ゆくゆくは今の何倍も稼げるようになると信じたいけど、一時的に給料が激減するのは間違いない。というか今がもらいすぎ。

家計簿を付けてみると、給料が今の半分ぐらいになっても問題なく生きるという実感はある。実際、飲み会以外のご飯は朝昼晩コンビニばっかだし。仮に起業に失敗しても、今の給料の半分ぐらいで業種にこだわらなければ、どこか拾ってくれるところはあるだろう、と楽観的に考えてもいる。勿論、一時的に凹んだ給料は将来がっつり取り返す、という気概はある。

ローンが借り辛くなる

家を買いたいとかそんな気持ちは全くなく、むしろ40年ローンなんて怖くて借りられないので、特に問題なし。

クレジットカードが作り辛い

パスタソースや水、本からシャンプーまで、ほとんどの買い物をAmazon楽天に依存している僕には結構な死活問題かも(笑)退社直前にカードを作っておこう。

 

色々書いたけど、将来、今の生活を捨てたことを後悔することもきっとあると思う。だけど、リスクを取らない後悔の方が確実に大きいし、ずっと悶々とし続けることには耐えられそうにない。

そうなると、後は、辞めた後の後悔をどれだけ小さく出来るか、つまり起業によりどれだけ充実した生活を手に入れられるか。そのための準備を出来る限り進めていきたい。

その他、お前これは考えとけよ、みたいなことがあれば、どしどしアドバイスもらえると幸いです。

起業することが目的になっている件

総合商社に入って6年半。既に海外駐在を経験、端から見れば順調なキャリアであり、自分自身でも恵まれた生活を送っている実感はある。だけど、僕は、今の仕事をこのまま続けていくべきなのか、将来の生き方について深く頭を悩ませている。

起業はしたいのだけどやりたいことが定まらない、即ち「起業することが手段ではなく目的となっている」のが現状の課題で、とりあえずは、起業に向けてガンガン行動していかないと、という結論に至った(ブログ開設はその第一歩)のだけど、折角連休をつぶして色々考えてみたので、ここにまとめておく。

なぜ起業したいのかを考えてみた

起業することが目的となっている一番の理由は、これだ!というやりたいことがないから。であるならば、なぜ起業したいのか、起業することで何を得たい(今と変えたい)のか、をまず考えてみた。

  1. 自分の人生を自分でコントロールしたい
  2. 自分の能力を超えるチャレンジをしたい
  3. 会社に頼らなくとも、自力で生きていけるという自信をつけたい
  4. 人生をかけられる自分自身のビジネスに、全精力を注ぎたい
  5. ビジネスの全体像(1から10まで)を経験したい

これが正直な気持ち。では次に、なぜこのような気持ちを持つに至ったのか、現状とのギャップを考える。

現状の何が不満なのか

はっきり言って、今の会社のことは嫌いじゃない。むしろ好きと言っていいだろう。変な人に出会うことも少ないし、世間の「商社マン」に対するイメージほど激務でもなく、世間のイメージ通りに給料はいい。(商社マンの現実については、別途書いてみたい。)

それなのに、起業したい、などと松岡修造ばりのアツい感情が溢れ出てくるのはなぜなのか。現状に対する不満としては、以下が挙げられる。(尚、僕はリスク管理担当として営業をサポートする立場。)

  1. ビジネスの流れの中の、極めて限定された一部の仕事(戦略策定や予算作成に携わることもない)のみを担当。
  2. 社内向けの仕事、社内独特の仕事がほとんど。
  3. 今の業務は、営業部のビジネスに口を出すだけ。責任がない。

大企業に入っておいてそんなこと言うなとか、それで高い給料もらってんのかとか、仕事への取組み方の問題だろ、とか色んな批判があるのは承知の上(自分でもそう思うし)。これは、不満と言うよりも、むしろ、このままこの会社にいてはダメになるのではないか、という、修羅場をほぼ経験することなく年を重ねていくことに対する強烈な不安である。

さらに悩ましいのは、年次が上になっても上記の不満は解消されないであろうこと。上の人間を見渡しても、この人みたいな仕事を出来るようになりたいとか、こんな人間になりたい、と思うことはほとんどない。

このままでは僕は、上司の好きな色やフォーマット、それから社内ルールに詳しい、資料作りが少し得意なだけの中年になっていくだろう。

なぜ一歩が踏み出せないか

上記の不満(不安)を解消すべく、僕は起業を志している。それでも、一歩を踏み出すのは怖い。正直、すごく怖い。商社マンとしての既得権益に惑わされていないつもりでも、もはやゼロに戻ることは簡単ではないのだろう。

加えて、僕は、学生時代のアルバイトを別にすれば、今の会社(とBOOKOFF)からしかお金をもらったことがない。つまり、自分が世の中に価値を提供し、その対価としてお金をもらうという経験が欠如している。もちろん、海外2年を含む商社マンとしての6年が全く役に立たないことはないだろう(と信じたい)が、そこまで甘くはないだろう。

小さな小さな井の中の蛙として、大海に出たいと憧れだけは感じているものの、暗闇に怯えているのが今の僕。

一歩目を踏み出すために

では、この恐怖を軽減するために出来ることは何か。それは、「とにかく行動(ミニ起業体験)を起こすこと」。

これまでも、起業家コンテストに応募してみたり、Startup Weekendに参加してみたり、起業家の講演に行ってみたり、という行動はしてきたけど、基本は受身だったかなと。「商社マンのくせにへぼい、と思われたくない」とか、「商社を辞めてまで起業するのだから、みんなが納得するような立派なビジネスをしなければ」とか、人の目を気にしたり、一歩目から大きく踏み出すことばかりを考えていたりで、実際に自分ごととして捉えられていなかった。

具体的には、タメになりそうな場に参加するだけで満足し、自分が他者から評価されるような行動は避けていたと感じる(例えば、起業コンテストでアイデアを発表する時にも、「このアイデアは単に思いつきで、まだ全然深くは考えられてないんですけど」みたいなことを言ったり)。

そこで、当面は、大きなことでなくていいから、何らかの課題を解決するための事業・サービスを作って、それを世の中に問うていく(そのニーズを検証していく)、というミニ起業プロセスを出来るだけ多く踏むことを最優先にしたい。その中で、本当に自分がやりたいこと、解決したい課題を見つけるとともに、取組む事業を少しずつ大きく育てていきたいと思っている。

最後に

なんだかんだ実際の現場に入ることが一番だとは思っているので、お手伝いさせて頂ける(もちろん無給で)スタートアップの方(分野は問いませんが、人数は一桁ぐらいの初期段階希望です)や、その他色んな方と繋がれたら、勇気を出してブログを書いた甲斐があって嬉しいなー、なんて甘い夢を見ております。温かく応援して頂けると嬉しいです。これから、よろしくお願いします。

余談 ...

ブログを書くって難しい。。。社内の説明資料の方がよっぽど楽ですね(笑)